promise ~夏の約束~


暗い帰り道は月明かりが照らしていて、



満天の星空が広がっていた。



ほどよく冷たい風が吹く田舎道を、私達は何も言わずに歩いた。



決して近くない距離を私達は一歩一歩、踏みしめながら歩いた。



…風が気持ちいい。



ね?ゆうちゃん。



―――――…



村井家につき、おじいちゃんから受け取った鍵でドアを開ける。



「…久しぶりだな。」



広い玄関に長い廊下。



おじいちゃんが顔を覗かせる居間に



おばあちゃんの声が飛びかう台所。



決して便利ではないこの家で私達は確かに育った。






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