promise ~夏の約束~
「…私、おばあちゃんの荷物まとめるから先にお風呂入っていいよ。」
私達が家に入り、くつろいでいる時間はなかった。
時刻はすでに午前0時を回っている。
朝から緊張と不安で疲れ切った体を早く休めたかった。
「…じゃあ、頼むな。」
祐希はそう言ってお風呂場へ向かう。
タオルや歯ブラシなどを鞄に詰め明日に備える。
私が住んでいたころと何一つ変わらない家具の配置のおかげで準備はスムーズに終わった。
…本当、変わらない。
家具も匂いも空気も。
幼い私がいつも感じていたそのままだった。