promise ~夏の約束~


―――…チリン♪



小さく風鈴が鳴り響いた。



縁側に吊された小さな風鈴。



私達が一生懸命お金を貯めて初めてプレゼントした風鈴だった。



「懐かしいね。」



「あぁ。」



祐希はお小遣いを少しずつ貯めて、



私はお手伝いをしたお駄賃を貯めて…、



おばあちゃんとおじいちゃんの結婚記念日に渡したプレゼントだった。



「あの頃は風鈴買うのでさえ大変だったのに…。」



今ではここを離れてやりたい放題。



渡されたお金を使って、自分勝手に生きてきた。







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