promise ~夏の約束~
「…感謝しないとな。」
祐希が呟いた言葉に私は小さく頷いた。
育ててもらった村井夫妻に、
一人暮らしを許してくれたおじさんに、
私を産んでくれた両親に、
感謝を伝えたいと思った。
「…もう寝るわ。」
私が遠くを見つめるのを見て祐希はゆっくりと立ち上がった。
「おやすみなさい。」
私はそう呟くと再び月を見上げた。
疲れているはずなのに
今はまだこの月を見ていたかった。
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