promise ~夏の約束~
丘のてっぺんにぽつんと『小宮』と書かれたお墓を見つけた。
小さいお墓だったけど綺麗に手入れされていて、そんな昔に亡くなった人だなんて思えなかった。
俺はゆっくりと近づきお墓の前で手を合わせた。
『…初めまして、前原 祐希と言います。
本当は…来てはいけないのかもしれません。
だけど、ご挨拶できてよかったです。
今度は…今度は雪姫と…』
"雪姫と一緒に"
…言おうとしてやめた。
守れない約束はするもんじゃない。