promise ~夏の約束~


心優しい村井夫妻に手を振り、俺は最寄りの駅を目指す。



「…ギリギリか。」



到着の電車はあと10分後。



おばあちゃん持たせてくれたおにぎりを片手に足早に駅に向かった。



駅に着くと屋根もないホームに電車が停まっている。


俺は急いで切符を買うと改札に切符を通した。



―――――…



電車から降りてきた女の人と行き違いになる。



俺は思わず振り替える。



俺が別れたはずの懐かしい香り。



さっきまでそこにあった香り。



小学生の俺が守ると決めた人。



小学生の俺が裏切った人。




ずっと…ずっと、謝りたかった人。








「…雪姫?」








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