promise ~夏の約束~
俺が呟いたその声は「発車します。」と言う駅長さんの声と重なった。
俺は急いで視線を電車に戻す。
雪姫…。雪姫だ。
俺の思いは疑問から確信に変わっていた。
小学生のときから変わらない白い肌。
ふんわり香る懐かしい匂い。
さらさらの黒い髪。
俺の記憶の雪姫は小学生のときから変わっていないのに、何故か確信できた。
あいつは雪姫だ。
俺が探していた…。
ずっと会いたかった雪姫だ。
俺はガラガラの車内に腰を落とすと小さく呟いた。
「―――…ごめん。」