promise ~夏の約束~
5年ぶりの故郷。
たった4年間過ごしただけなのに、故郷と言われて思い出すのはこの場所だけだった。
「…私、東京で一人暮らしするんです。」
突然の私の言葉におじいちゃんもおばあちゃんも目を丸くする。
「今まではお世話になっていたおじさんにわがまま言って
東京で一人暮らしさせてもらえることになったんです。」
丁寧に言ったつもりだったがまだ二人の反応はない。
「お母さんとお父さんにもそれを報告しに来たの。」
私はゆっくりと視線を落とした。
私は何を泣きそうになっているんだろうか。
何を期待してこの場所に来たのだろうか。
わからないまま、ここに来てしまった。