promise ~夏の約束~
階段を上がってすぐの部屋。
ドアの前の『ゆきの部屋』と書かれた木製のプレートが目印だ。
私がこの家に来たときにおじいちゃんが作ってくれた世界にひとつだけのプレート。
私はそのプレートをゆっくり外すと部屋のドアを開けた。
…あの時から何ひとつ変わらない。
変わらないベッドに
変わらない勉強机。
変わらないおもちゃに
変わらない温もり。
私はゆっくりとベッドに腰掛けた。
あの時は"二人"で寝ても広くて余ってたのに…。
「――…二人?」