promise ~夏の約束~


何故か部屋に入ると私の記憶は"二人"になる。



"二人"で寝たベッドに


"二人"で勉強した机。


"二人"で遊んだおもちゃに


"誰か"の温もり。




温かいはずなのに寂しく冷たい。


会いたいはずなのに会えない。



叫んでいるのに、届かない。






「―――…ゆうちゃん?」




幼い私はいつも心の中で叫んでいた。





『――…嘘つき!ゆうちゃんの嘘つき!』







< 32 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop