promise ~夏の約束~
―――――…
私が下に降りるとおじいちゃんもおばあちゃんも心配していた。
「さっきの音は何?」
「あ…えっと、本棚から本が落ちてきて…。」
「怪我は?痛いところはないの?」
「大丈夫です、大丈夫。」
そして私は逃げるようにこの家を出た。
「私…帰ります。引っ越しの準備がまだなので。」
本当は可能なら一泊するつもりだったけど、あんな居心地の悪い部屋にはいられない。
きっと泣いてしまう。
きっと壊れてしまう。
私は…思い出に、殺されてしまう。