promise ~夏の約束~
「せめて晩ご飯だけでも。」と言うおばあちゃんの言葉を振り切って私は両親のお墓に向かった。
セミの鳴き声がする。
ジリジリと暑いのに涼しい風。
どこかの家から聞こえる風鈴。
ゆっくりとした時間が流れる。
この場所が本当に好きだった。
私の幸せだった。
―――――…
丘につくと綺麗な花が供えられていた。
お母さんが好きだったテッポウユリ。
そういえば毎年おばあちゃんが育ててたっけ。
花言葉は…『純潔』だった気がする。
私はゆっくりと近づき手を合わせた。