promise ~夏の約束~


駅に向かうと私は東京までの道のりを確認した。



乗り換えは3回。


電車続きの長旅だった。



本当は荷造りはとっくに済んでいた。



新学期に間に合うようにおじさんに言われて今日、荷物が東京の新しい家に届くようになっている。



少ない生活用品。



本当に必要最小限のものしか送らなかった。



出来るだけ思い出を引きずらないように…。



電車がくると終点まで向かった。



朝早く起きたせいか睡魔が襲う。



だけどもう来ることはないであろう場所の景色を覚えておきたかった。



私が育ったこの町を忘れたくはなかった。








< 38 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop