promise ~夏の約束~
もうすぐ家に着く。
電車を3回乗り換え、長旅も終わりに差し掛かっていた。
寄り道をしたせいで予定より2時間遅れてしまったが、私はまだ電車に揺られていたかった。
新しい家に近づくたびに胸が苦しくなる。
「…はぁ。」
ため息もさっきから何回目だろうか。
今まで住んでいた場所に未練はないつもりだった。
ただ新しい場所へ行くだけなのに。
引っ越しだって慣れてるはずなのに。
私の憂鬱は止まらなかった。