promise ~夏の約束~


『雪姫、転校生だもん。』


その日の夜は嫌に寝苦しくて、何度も何度も夜中に目を覚ました。



新しい環境のせいか、



それとも思い出のせいか。


おそらくどちらも原因なのだろう。



何度目の転校生だろう。


何度目の学校だろう。



「――…ゆうちゃん…。」




守ってよ。




雪姫を守ってくれるんでしょ?




今、雪姫ひとりぼっちだよ。




忘れたはずの思い出が私を弱くする。





私を…脆くする。








< 40 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop