promise ~夏の約束~
ゆかりは小さい頃からの女友達で、よく中学の同級生を集めて計画を立ててくれる。
高校でも中学でも『クラスのリーダー』みたいな奴。
学校は嫌いじゃない。
むしろ皆で集まってワイワイ賑やかのは好きだ。
でも俺には夏休みにすることがあった。
俺は急ぎ足で下駄箱に向かう。
―――ドンッ!
廊下を曲がったところで誰かとぶつかる。
「いってぇ…。」
俺が呟くと相手も
「いたたたた…。」
と、呟いた。
ぶつかったのは知らない女の子。
俺は自分の腰をさすりながら彼女に手を伸ばした。
「ごめん、大丈夫?」
「あっ、こちらこそ!すいません!」
彼女はそう言って俺の手に捕まる。
――――…冷たい。
夏なのに冷たいその手に一瞬懐かしさを感じてしまった。