promise ~夏の約束~
雪姫は何も言わず…。
いや、何も言えなかったのだろう。
真ん丸い目を見開いて、何かを言いたそうな口は微かに揺れて、でも俺を見る目は動かなくて。
「…ごめん。」
俺はもう一度、呟いた。
雪姫?忘れたならそれでいいんだ。
憎んでるならそれでいいんだ。
だけど…だけど言わせくれ。
「ごめ…」
「謝らないで!」
謝ろうとした言葉が雪姫の叫び声に変わる。
「…やめて、謝らないで。」
雪姫は俺から視線を落とし、震える声で呟いた。
「わ…たしは、貴方なんて知らない。」