promise ~夏の約束~
―――――…
家まではどうやって帰ったか覚えていない。
ただひたすら、翔が
「…ごめんな。」
と、謝っていた気がする。
俺はベッドに横になると天井を見つめた。
『約束だよ。』
幼い雪姫の声が頭の遠くで響いて、
『貴方なんて…知らない。』
さっきの雪姫の言葉が胸に刺さる。
あれだけ泣きたかったのに
あれだけ叫びたかったのに
家に着いた頃には一粒の涙も出やしない。
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