promise ~夏の約束~
「何か…、あったんですか?」
正直、あんまり聞きたくはなかった。
たぶん雪姫のことだろうから。
「…もしかして雪姫ちゃんに会ったの?」
おばあちゃんは何かを察したように言った。
「はい。」
俺は小さく返事をする。
「やっぱり、東京で…。」
おばあちゃんも雪姫が東京に居ることを知っているようだった。
「すいません、わざわざ報告してもらって。」
俺はそう言うと「それじゃ。」と言って電話を切る。
今は誰とも話したくなかった。
特に、雪姫を知っている人とは。