promise ~夏の約束~



302号室のドアの前で小さく深呼吸をすると再びインターホンを押した。



「…はい。」


「楢橋だけど。」


「あがって。」



俺は言われた通り扉を開けて中に入った。



真っ暗で物音ひとつしない。



「…電気、点けないのか?」




俺は玄関から真っ直ぐのびるリビングに入り、小宮の姿を見つけた。



「点けたくないの。」



閉じられたカーテンの側に小宮の姿は見えるが表情までは見えなかった。







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