promise ~夏の約束~
雪姫は少し嫌そうな顔をして俺の前に立った。
たまには見下ろされるのも悪くない。
…なんて、口が裂けても言えない。
「翔くんって噂どおりの人なのね。」
俺を見下ろしたまま雪姫は呟いた。
「そりゃどうも。」
俺のどんな噂を信じてるかしらないが誉められていないのは確かだ。
「で?話って?」
雪姫は小さくため息をついて台所へ向かった。
「祐希のことだよ。」
俺は雪姫の後ろ姿に話かける。
…なんだか、思ってたより緊張感が切れてしまった。
ちょっとやりすぎたな。
俺は心の中で反省すると再び小宮の姿を目で追った。