promise ~夏の約束~


「あんたねぇ!いい加減に何かしゃべりなさいよ!」


「お前にどんな事情があるか知らないけどな、俺たちまでテンション下がるんだよ!」


「もっと笑いなさいよ!笑えば何とかなるのよ!」


「笑えないくらい苦しいなら言えよ!俺たちだって話くらいは聞けるんだから!」


ゆかりと俺は口々に叫ぶ。


怒っているのか、けなしているのか、励ましているのか、俺たちにもわからなかった。



そんな俺たちを転校生は口を開けて見ていた。



キリッとした目もまばたきひとつしない。



俺たちは心の底から言葉をぶつけ、妙な達成感と後悔を感じていた。



…言い過ぎたか?



俺たちを見つめたまま動かない転校生に俺たちは少し不安になる。






< 80 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop