promise ~夏の約束~
明日から夏休み。
俺と祐希は肩を並べて帰り道を歩いた。
「…雪姫に会いにいくのか?」
俺は単刀直入に話を振った。
「…はっ?」
祐希は驚いて声を上げた。
「だから、雪姫に会いに行くために俺たちの誘いを断ってるんだろ?」
俺は何を怒っているんだ?
自分でもわからなかった。
ただ、あまりに祐希の頭が"雪姫"でいっぱいで…。
今、側にいるのは俺たちなのに祐希の本当の心には入れない気がして…。
たぶん…、悔しかったんだ。
「…会いに行くよ。」
頭の中がぐちゃぐちゃな俺を見て祐希は少し笑って答えた。
祐希は大人だ。
子供のくせに余裕がある。
転校初日は全然そんなこと思わなかったのに、
今となっては祐希には感心するところばかりある。