promise ~夏の約束~
「…翔くんは…前原くんのことが好きなんだね。」
相変わらず電気のつかない部屋で雪姫は俺に冷えた麦茶を渡した。
「…ハハ。友達としてな。」
俺は冗談混じりに呟くと小宮も小さく微笑んだ。
「お前は?」
俺は麦茶を一口飲んで、微笑む雪姫に問い掛けた。
「…どうかな。忘れちゃった。」
投げやりの言葉とは裏腹に雪姫の表情寂しそうだった。
…祐希が放っておけなかったのもわかる気がする。
こいつは嘘つくのが下手なくせに嘘が習慣になってるんだ。
寂しくないと言いながら泣いて
楽しいと言いながら堪えて
嫌いと言いながら大好きで…。
ほんと、どこかの誰かさんと同じくらいに不器用な奴。
「俺が、祐希の変わりになってやろうか?」