promise ~夏の約束~
親の都合で転勤することは知っていた。
ただ"また"逢えるだろうって思っていた。
"また"逢いに行けばいいと思っていた。
『――…東京!?』
俺は発車する電車に乗りながら行き先を知った。
『雪姫は!?雪姫には逢えるの!?』
俺の問いかけに親は首をゆっくり横に振った。
雪姫に…雪姫に会えない?
俺はその日、今までにないくらいに親を責めた。
同時に守れない約束をした自分を心底嫌った。
―――雪姫?雪姫、ごめんな。