promise ~夏の約束~
「人の心にこれだけ残る人ってどんな子なんだろうって。
きっと…すごく、優しい子なんだろうなって。」
夏休みが始まるとき、決まって想像するの。
雪姫と再会する祐希を。
私たちに雪姫を紹介してくれる祐希を。
なのに毎年、祐希は泣きそうな顔で登校してくる。
その度に「"雪姫"のバカ。」って心の中で呟いてた。
"雪姫"は優しい人じゃないの?って。
"雪姫"は祐希を忘れたの?って。
勝手に想像した"雪姫"に嫉妬してた。
「でも雪姫は不安定だった。」
優しい人なんかじゃない。
誰よりも会いたい祐希に
誰よりも大好きな祐希に
守られないように
強がって生きてた。