promise ～夏の約束～

「…祐希は優しいね。」



どんな状況でだって困ってる人を見捨てない。


苦しい人を見捨てない。



「…お前に初めて会ったとき、雪姫に似てると思った。」



手が肩に回ったまま後ろで話だす祐希。



「手とか震えて、めちゃくちゃ緊張してるのに俺がひとりなのを心配して声かけてきただろ？」



…ばれてたんだ。



「翔とお前見てたら雪姫と重なって、初めは雪姫のこと話したの後悔したよ。」


「…うん。」



「でも夏休みが終わる度にさりげなく励ましてくれるお前らみてたら話して良かった、と思うようになった。」



「うん。」




私はゆっくり話す祐希の声が震えているのに気付いた。



…泣いてるの？