promise ~夏の約束~
「…そのおかげで正直このまま雪姫に会えなくてもいいと思ってた時期もあった。」
「うん。」
「…でも、だめなんだよ。
…夏になると、雪姫でいっぱいになる。
雪姫を思い出す度にあの夏が返ってくるんだ。」
私を抱き締める腕により力が加わる。
「…うん。」
わかってた。
夏が祐希を苦しめてることも
夏が祐希と雪姫を離さないことも、
私たちが"雪姫"の変わりになれないことも。
「かっこ悪いよな、俺。」
祐希は少し笑って、私の肩から手を離した。
「…雪姫はずるいね。」