強気恋愛。
・・・1つだけ、すごく気にしていた。

競技大会が終わってしまったことで、

岡森との繋がりが切れてしまう。


「誘導係」が一緒だった事が

唯一の繋がりになってたのに、

それが切れてしまったら

また「他人」になってしまう。


競技大会が終わっても繋がりが切れないことを

すごく祈りながら教室に戻った。


すごい不安に襲われてしまった。

「もう関われなくなる」

そればっかりが頭の中を回っていた。


放課後。岡森の声が聞こえた。

「俺誘導の腕章返しに行かなあかん~」


それを聞いてウチも誘導係で使った腕章を

返しに行くのを忘れていたことに気付いて

急いで腕章を手に取った。


そして少しだけ期待をかけて、

階段を駆け上がった。


3年生のフロアの廊下を

Uターンしてくる岡森の姿が見えた。

まだ手には腕章を持っていた。

係のリーダーの先輩のクラスが

わからないらしかった。


目が合った。


その瞬間からの記憶がほとんど残ってない。

確か、

「俺腕章かえさなあかんねんけど」

「ウチも。」

「武田さん何組?」

「えーっと・・・」みたいな感じになって、

クラスがわかって

一緒に先輩の机に腕章を置いた

ってことだけ覚えてる。


その後はパニック状態になりながら

一人で帰ったと思う。

誰かと帰ったかもしれないけど、

それどころじゃなかった。


岡森のほうから喋り掛けてくれた

ってことばっかりずっと考えてた。
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