強気恋愛。
お母さんが家を出発する時に

お父さんから頼まれたらしく、

スーパーに寄った。


スーパーに入った瞬間、

「Valentine’s day」という字が

目に入ってきた。


「ほら凛ちゃん、バレンタインやで♪」と、

お母さんはウチを楽しませようとしてくれる。

でもその優しさが、今のウチには痛かった。


「うん・・・」って言って、目を逸らした。

逸らした先には沢山のチョコがあった。

また目を逸らすと今度は

赤やピンクや白のハートが沢山あった。


どこを見てもバレンタインばっかりで、

ウチはそこにいることが苦痛だった。


そんな赤と茶色に彩られた中に

自分がいる理由が分からなかった。


バレンタインの雰囲気に耐えられなくなって

「唐揚げ 20%OFF」の字を見つめている

自分が情けなくなって、また泣いた。
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