強気恋愛。
「今日チョコ渡されへんかったなぁ。明日渡すわ。・・・いつ渡したらいい?」

「佐々木に渡しといて」


他の男子の手を渡って岡森に。それはイヤだった。


「直で渡したいねんけどー」

「ハズいやん」


…岡森が、ウチから直でチョコを貰うことを「ハズい」って感じる。…戻れる可能性もある?


「人通すほうがハズいやん!」

「それやったら俺ハズくないもん」

「お願い~ 4時間目終わった直後とか!」

「きついで」

「お願い!他の時間でもいいから!」

「めっちゃハズいやん」

「・・・ウチだってハズいわ!でも直で渡したいねん!」

「なんでやねん」

「なんでか分からんけど!とにかく人を通すのがイヤやの」


なんでか 本当は分かってる。


「はぁ」

「いい?」

「4時間目終わり無理やで」

「他の時間でもいいから!」

「無理かな」

「お願いお願い・・・お願い!」

「じゃあ俺が男バレとおるときな」

「えー・・・ひど。いじめ?」

「違うわ」

「・・・お願い・・・なんとか」

「男バレとおるときやで バリあるやん」

「いやいやいやいや・・・・じゃあさぁ、ウチが朝遅く行くから、いつも通学路で会う時間帯くらいに?」

「嫌やし 朝は男バレといくねん」

「だからいつもどおり来てくれたら良い。そのときやったら多分 あ、でも・・・・」


幸せだった。こんなにメールしたのは半年以上ぶりだろう。


「今から風呂やから、布団入ったらメールする から起きとけよ」


…起きとけよ!?

岡森のほうからそんな言葉が

出ると思ってなかったウチは、

かなりびっくりした。


「わかった」

いつまでも、メールが来るまでずっと待つ。
< 51 / 66 >

この作品をシェア

pagetop