月夜の散歩
一瞬だけ、ちらっとこちらを一瞥しながら眼鏡をかけ直した。
「……………。」
「………………えっ…と」
〈……し…シカト…?〉
「あっ………藤緒先生、呼び出してすみませんが…頼みたいことあって…」
「あっ……は…はいっ!」
階段を上り市島先生の後を追う。
途中、彼を追い越す時ちらりと見たら……
「……………フッ」
「……!!……」
唇だけ動かして……
『…み・…の・…り』
「…!!!!…///」
〈…なっ……何なの!!〉
カァ---と体内の血流が上昇するのがわかり、慌てて眼を逸らした。
ドキドキドキドキッ…
さっきよりも早く脈打つ
…静まれっ!!…///
パタパタ…廊下を歩きながら自分に言い聞かせてた。