【短編】ヘタレ君のわがままなカノジョ。
それでも、わがままな君が好き。
これは、夏の始めの頃のことです。
クラスでも人気の、ちょっと気が強くて可愛い女の子
ヒカリちゃんと付き合うことになったのは。
「仕方ないから、付き合ってあげる!」
そんな強気な台詞を吐く君の顔は、恥ずかしそうに真っ赤に染まっていて
とても、可愛かったんです。
ああ。
こんな可愛い子が、俺のカノジョでいいんでしょうか…。
「ハル!パン買ってきて!」
お昼休み、君はいつもの調子で俺に言います。
「んー、何パン?」
「チョココロネとチョコチップメロンパン!3分以内ね!はいハル、ゴー!」
ワン!
って言いたくなっちゃいますね。
俺に尻尾があれば、千切れそうなぐらい振りたいです。
どうしてこう、この子は可愛いんでしょうか。
君の喜んだ顔が見たくて、俺は全力疾走します。
それに、メロンパンを頬張るあの子の顔と言ったら、まるでリスのように可愛らしいんです。
って俺、変態みたいですね。
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