コレット
「私はフツーの女よ。特別な存在でもないし。仕事の時以外は、友達感覚で接して来て欲しいなァ」


「友達感覚で、ですか…」


「これから末永く、付き合うんだから。楽しくやりましょう?」


 キャサリンが飲んでいるのはジンをベースにしたカクテルである。


 私たち女性には丁度良いぐらい、甘さを抑えたフルーツカクテルかな?


 レニオはグラスを傾けながら語る。


「職場関係以外の女の子と飲むなんて、初めてだよ」


「1人で飲む方?」


「うん」


「会社が終わって来たのかしら?」


「そうだよ」


「いつも、1人で?」


「いつもじゃないけどね。時々はこうやって、気晴らしに1人で飲んだりするんだ」


「彼女と一緒に来ないの?」


「彼女と?」


「結婚しているのかしら?」


「独身だよ。彼女いないし」


「まあ。まだ、いないんだ?」


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