変人執事とツンツンお嬢様
episode3

初めての感情




――変人執事がきてから、少しの月日が流れた。


肌寒かった季節はもう終わりを告げて、徐々に温かくなっていく。



もうすぐ桜が咲くだろうか。

高校の入学式には間に合うかな?





「弥呼さま、どうなさいました?」

「…べ、別に。なんでもないが。」




彼がきてから結構経ったにも関わらず、私は悪態をついてしまうのだった。


そして彼も、相変わらずの変人ぶりを発揮していた。





「弥呼さまのお考えになることはわかっていますよ。
…そんな魅力的な表情をしないでください。」




思い切り睨んでも、いつもこのようにニコニコとかわされてしまう。




月日が勝手に流れていくだけで、何も変わりない毎日を送っていた。


ただ、変わったのは……





.
< 100 / 173 >

この作品をシェア

pagetop