変人執事とツンツンお嬢様
episode3
初めての感情
――変人執事がきてから、少しの月日が流れた。
肌寒かった季節はもう終わりを告げて、徐々に温かくなっていく。
もうすぐ桜が咲くだろうか。
高校の入学式には間に合うかな?
「弥呼さま、どうなさいました?」
「…べ、別に。なんでもないが。」
彼がきてから結構経ったにも関わらず、私は悪態をついてしまうのだった。
そして彼も、相変わらずの変人ぶりを発揮していた。
「弥呼さまのお考えになることはわかっていますよ。
…そんな魅力的な表情をしないでください。」
思い切り睨んでも、いつもこのようにニコニコとかわされてしまう。
月日が勝手に流れていくだけで、何も変わりない毎日を送っていた。
ただ、変わったのは……
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