変人執事とツンツンお嬢様
「弥呼さま、先日のチョコレートはお召し上がりになりましたか?」
「あぁ…美味しかった。
感謝する…零慈くん。」
「夜雅御さん」から呼び方が変わった。
いつだっただろうか、零慈くんがいきなり
『呼び捨てにしてください』
と言ってきて、さすがに年上だし…と拒否すると
『では「零慈くん」ではいかがですか?』
と彼が提案したのだ。
断るにも断れず、そのままこうなったワケで。
何か特別な感謝があるワケではない。
「また何かの機会に買って参りますね。」
「あぁ、ありがとう。」
それでも、彼には感謝している。
こんなに態度や口、性格まで悪い私に、こんな風に笑いかけてくれるのだから。
変わっている彼だからこそ、できる役なのだと思う。
でないと私の「専属執事」は勤まらないだろう。
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