変人執事とツンツンお嬢様
近距離でにっこりと笑う彼に、くらっと目眩がした。
あれから――佳織瑠さんに相談してから少しの日にちが経った。
だが、今もあの動悸は治らず、理由もわからないままだった。
その証拠に……ほら。
「熱はないみたいですね。
……ぁ、そうだ。
わたくしが口移しして飲ませて差し上げます。」
「……は?」
ニコニコしながら薬のパッケージを開ける変人「執事」。
おいおいおいおいおい
ワケがわからない上に、変人…というか、変態じゃないか!!!!!!
「く、口移しなどするワケないだろう!!!からかうなっ…きゃっ」
「いいではないですか、そんなに赤くならないでください。」
ふふ… と笑う彼を見て、背筋が凍った。
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