変人執事とツンツンお嬢様
恐ろしい。
ワケがわからなすぎる、この執事!!!!
「さぁ、弥呼さま。早く朝食を召し上がってください。
お薬を飲む時間がなくなってしまいます。」
「薬くらい自分で飲む!!!」
エスコートされながら椅子に座り、出された朝食に箸をつける。
今朝の執事特製和食も絶品で、ちょっと悔しくなってしまう。
(口移しなど…ふざけるにもほどがある。)
しかし、この変人はホントにやりかねないと思い
私はゆっくりと朝食をとった。
「……これは…」
「そちらは菜の花と小エビのサラダです。お口に合いますどうか…」
「いや、すごく美味しい。
また作って…くれるか?」
「……もちろんです。
弥呼さまがお気に召したなら、何度でも。」
ドクン…
柔らかく、本当に優しく
まるで春の日差しのように温かく笑う零慈くん。
面倒だし、意味がわからないことばかりだけど
彼と過ごす時間は、ゆったりと心地よいものだと感じていた。
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