変人執事とツンツンお嬢様


恐ろしい。


ワケがわからなすぎる、この執事!!!!




「さぁ、弥呼さま。早く朝食を召し上がってください。
お薬を飲む時間がなくなってしまいます。」


「薬くらい自分で飲む!!!」




エスコートされながら椅子に座り、出された朝食に箸をつける。


今朝の執事特製和食も絶品で、ちょっと悔しくなってしまう。




(口移しなど…ふざけるにもほどがある。)



しかし、この変人はホントにやりかねないと思い

私はゆっくりと朝食をとった。





「……これは…」


「そちらは菜の花と小エビのサラダです。お口に合いますどうか…」


「いや、すごく美味しい。
また作って…くれるか?」



「……もちろんです。
弥呼さまがお気に召したなら、何度でも。」





ドクン…



柔らかく、本当に優しく

まるで春の日差しのように温かく笑う零慈くん。



面倒だし、意味がわからないことばかりだけど

彼と過ごす時間は、ゆったりと心地よいものだと感じていた。




.
< 123 / 173 >

この作品をシェア

pagetop