変人執事とツンツンお嬢様


(……ぇ、えっ!!?)


なんだ?



差し出されたのは




「…仲良くしてください。」



ずっとボーッとした表情のまま、彼女…伊集院さんは去っていった。

同じクラスか…


私の席から、彼女の席が見える。




(……私の周りには、変わった人ばかりが近づいてくるな。)




手のなかにあるものを見て、一瞬ムッ と止まる。





「……飴?」



指輪の形をした…キラキラ光る赤い飴。


ふと彼女を見ると、その左手に……左の人差し指に同じものがはまっていた。





「……仲良く、か…」




彼女の小さな背中を見てから

ふと自分の指をみる。



指輪など、したこともないが…






「…完全に彼女のペースだな。」





つい、左手の人差し指にはめてしまった初めての指輪は


赤い飴だった。






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