変人執事とツンツンお嬢様


それから短いホームルームが終わり、下校の時間となった。


みんなが挨拶を交わす中、さっさと準備を終わらせ席を立つと

ヒソヒソと耳に入ってきた話し声。



少し辺りを伺うと

……教室の端、何人か男子生徒が私の噂をしているのが見えた。





(…中学のときと一緒じゃないか)




「アイツ、壇ノ宮の令嬢だって」

「でも家を追い出されたらしいじゃん」

「じゃあ妹が?」

「ちょっと頭よくて可愛いからって調子乗ってるし」

「性格悪いって噂だけど」

「いや、絶対性格悪いだろあれは」

「キツそうだよなホント」






……今まで何回も聞いてきた言葉たち。


15になっても聞くはめになるとは思わなかった。




勝手な想像、妄想

先入観

鵜呑みされる噂



そんなもので真実がわかるワケがない。







「……キミたちに何がわかる」






だから


もう




もうやめて






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