変人執事とツンツンお嬢様


校門まで、少しの道のりを並んで歩く。


……と、また聞こえてくる声。





「…おぃ、あれ。」

「壇ノ宮と伊集院の令嬢だろ?」

「壇ノ宮の方は主席らしいな」

「うわ、絶対親の金だろ?」

「伊集院の方だって、あんなに馬鹿そうなのに入学できるワケないしな。」


「ははっ、やっぱコネか」







さっきも聞いたような言葉。


……私はいい。

言われ慣れているから。




…でも。





――――ギュッ


「え?」

「怖い顔…あたしは平気。
慣れてるから」


「伊集院さん…」




ギュッと強まった手。


…彼女と私は、少し似ているのかもしれない。





.
< 137 / 173 >

この作品をシェア

pagetop