変人執事とツンツンお嬢様


それからすぐに車は発車して、校門に一人佇む。




(……鞠千代…)




ともだち


くすぐったくて、歯がゆい。

でもすごく心地よい。








「…ついに弥呼さまにもご友人が!!わたくしはとても嬉しいです!!!」


「なっ!!!!!!?///」





ビクッ!!!



いきなり後ろから声をかけられ、肩が上に跳ねた。


こ、この声はっ…





「ま、またキミか!!!」


「そのような言い方…傷つきますっ」

「…だ、だって盗み聞きを」


「人聞きの悪いことをおっしゃらないでくださいよ、弥呼さま。」



「このっ…性悪変人執事!!!!!」





赤くなってしまった顔を隠すように走って、校門に着いていた車に乗り込んだ。




「……執事のくせに…」




(また私をからかって…)



それからすぐに彼も乗り込み、ミラー越しに私を見て微笑む。





「……よかったですね」


「…ふん」




ニコニコと笑う執事に、笑い返さずにそっぽを向いた。


……ただ、少し

口元が緩んだ。






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