変人執事とツンツンお嬢様
………と、いうワケだ。
「ご馳走は…私の執事が用意するはずだ。」
「……いく。」
「…あ、あぁ…」
妙に嬉しそうに笑った鞠千代に、びっくりする。
こんな表情もするのか、と。
しかも、食べ物の話で。
「じゃぁ…あたしの執事にも頼む。」
「あぁ、お願いする」
彼女の執事も、結構若い。
零慈くんとさほど変わらないだろう。
金髪で目が青っぽい、ハーフのような容姿の零慈くんとは違い
鞠千代の執事「北条さん」は、黒髪に知的な眼鏡と、全体的に落ち着いたクールな雰囲気。
でも、その表情は柔らかく温かい。
「…じゃぁ……」
「え?」
差し出された携帯。
私は意味がわからず首を傾げた。
.