変人執事とツンツンお嬢様


「…アドレス」

「……えっ」


「交換…しないの?」


「え、いや…っ。
ふ、ふん!!!仕方ないから交換してやる」




ピピッと赤外線。


(……ともだちのアドレス…)




初めて“アドレス交換”というものをした感動に、携帯を握る力が強まる。




「時間とか決まったら、連絡…」

「わ、わかった。
とりあえず…次の日曜は空けておいてくれ」




コクリと頷き、携帯をしまう。


この子は、やること全てがスローでもぞもぞしているが…

少しずつ色んな表情が見えてきて楽しい。




(ともだちと花見…)



したことはなかったが、この子とのメールもなんだか楽しそうだと思った。





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