変人執事とツンツンお嬢様


桜の花言葉は“精神美”。


ほかにもたくさんあり種類によっても違うが、私はそれが一番好きだ。




青く澄んだ空の中

燃えたように赤い空の中

漆黒の空の中


照らされた桜は、息を飲むほどに美しく

私のお母様のように…癒しをくれる。




私も、お母様のような……

まるで桜のように精神の美しい女性になりたいと


今までに、何度思ったことだろうか。





「…弥呼さま?」


「花見をするのは、久しぶりだ。お母様が亡くなられてから…さっぱりだ」




夜。


夕飯を食べ終わり、リビングでくつろぎながら窓の外を眺める。



街灯に照らされた桜の花びらが、目にしみる。





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