変人執事とツンツンお嬢様
そして花見当日。
無事に天気に恵まれ、晴天だ。
朝起きてすぐ鞠千代に連絡をいれ、支度に取り掛かった。
「弥呼さま、とてもお綺麗です。」
「ふん、世辞はいい。はやく髪を結ってくれ」
私が纏ったのは、春を意識した淡い緑色のワンピース。
リビングへ行くと、零慈くんが髪を結ってくれると言ったのに
さっきからこればかり。
「本当にお美しい……まるで春の妖精…爽やかな色までよくお似合いになる…」
ブツブツと呟く声は、無意識なのだろうか。
私の首もと辺りから視線が外れず、ボーっとしているようだ。
「……いいからはやく髪を…」
「あぁ、弥呼さまをお部屋から出したくありません…
いっそのこと監禁して……」
「っ、おいっ!!!」
この執事は…っ!!!!!!!
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