変人執事とツンツンお嬢様
しばらく髪を梳き、何かを思いついたように夜雅御さんがどこかにいってしまった。
………なんだ?
振り向く間もなく戻ってきた執事は、テーブルに大きめな鏡を置いた。
「弥呼さま、鏡をお持ちいただけますか?
やはり前から見えないとなると、髪型が歪んでしまうかもしれませんので」
「ぇっ」
断るすべは全くなく
言われるがままに鏡をもつ。
……なんなら、化粧台にいけばいいのに。
やっぱり、よくわからない。
でも、窓の少ない化粧台と違って、この部屋には大きな窓がいくつもある。
このように、外からの日差しを浴びながら椅子にゆったりと座っているのも悪くない。
暖かい空気に、ふっ と口元が緩むようだった。
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