変人執事とツンツンお嬢様
「お腹すいた……はやく食べたい…」
「ぁ、ああ!!早く食べよう!!」
二人してござに座り、二人の執事が持ってきた食べ物や飲み物を広げる。
周りには人がたくさんいて、みんな酔っ払っていたり騒いでいる。
スーツ姿の人も多いので、執事がいても気にならないようだった。
「……乾杯…」
「ふん…か、乾杯…」
たぶん向こうが持ってきたであろう和風な湯飲みにお茶が注がれ、乾杯した。
…まだ肌寒い。
温かいお茶が身体に染み渡る。
「鞠千代さま、どうぞ」
「うむ…」
「鞠千代さま、お口についていますよ」
「あぁ…ありがとう」
「鞠千代さま」
「鞠千代さま」
「鞠千代さま…」
……なんというべったり振り。
クールそうな執事が…こんなに世話をするとは。
(…子供の世話みたいだな)
そう思って、また口元が緩む。
………と。
「弥呼さま、わたくしたちも…」
「それはいらんっ!!!!/////」
私が声を上げると、シュンとしたように眉を下げたのだった。
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