変人執事とツンツンお嬢様


「お腹すいた……はやく食べたい…」


「ぁ、ああ!!早く食べよう!!」




二人してござに座り、二人の執事が持ってきた食べ物や飲み物を広げる。



周りには人がたくさんいて、みんな酔っ払っていたり騒いでいる。


スーツ姿の人も多いので、執事がいても気にならないようだった。





「……乾杯…」

「ふん…か、乾杯…」




たぶん向こうが持ってきたであろう和風な湯飲みにお茶が注がれ、乾杯した。


…まだ肌寒い。

温かいお茶が身体に染み渡る。





「鞠千代さま、どうぞ」


「うむ…」


「鞠千代さま、お口についていますよ」

「あぁ…ありがとう」


「鞠千代さま」

「鞠千代さま」


「鞠千代さま…」






……なんというべったり振り。


クールそうな執事が…こんなに世話をするとは。





(…子供の世話みたいだな)



そう思って、また口元が緩む。





………と。





「弥呼さま、わたくしたちも…」



「それはいらんっ!!!!/////」






私が声を上げると、シュンとしたように眉を下げたのだった。





.
< 156 / 173 >

この作品をシェア

pagetop