変人執事とツンツンお嬢様


「あんなにべったりされても迷惑だ。…普通にキミも楽しめばいいだろう」


「わたくしの楽しみは弥呼さまのお世話でございます故…わたくしもあのようにべったりしたいのです」



「き、気持ち悪いっ!!!とにかくやめろーっ!!」




隣で正座していた零慈くんが、私の世話をしだした。



べったり というよりは……なんだろう。


この、なんだか甘い雰囲気は…





「弥呼さま、寒くないですか?」


「ない」


「冷えてはいけませんから…かけていてください」


「……あ、あぁ」


「弥呼さま、今日の弥呼さまはまるで桜の妖精のようです…
執事がわたくしなど…もったいないくらいに。」


「世辞はいらん。…ちょっと離れろ」


「いやです、わたくしは弥呼さまの執事なのですから…」


「いくら執事だからって…」


「…弥呼さま、わたくしは迷惑ですか?わたくしは弥呼さまの執事になれていませんか?」


「は?」


「弥呼さまに捨てられては、わたくしは生きている価値などない存在……」


「ちょ、ちょっと…」


「捨てるというのなら、いっそわたくしを殺してください…!!」


「は?おぃ、ちょっと…」


「弥呼さま」

「弥呼さま」

「弥呼さま…」






……

………

………………





あぁああああぁああああぁああああぁあああ!!!!!!!!!!!!!



今にも叫びたくなった。




こんな風にされては


…うざい!!!!!!




意味不明な言葉攻めに対処が出来ない私であった。




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