変人執事とツンツンお嬢様
ただ、ゲームとわかっていても
私を見る瞳や頬を包む手のひらには、どうしても動揺してしまう。
…きっと、わかってやっているんだろう。
それがどうしても、負けているみたいで気に食わない。
(……少しくらい彼を動揺させたい…)
かなわないとはわかっていても、どうしても反抗しないと気が済まない。
………よし。
「…れ、零慈くん」
「こら、猫は喋ってはなりませんよ?」
「うぐっ…」
「はい、"にゃー"」
「に……!?」
「ふふ、いけない子ですね。
…」
「!!!…うぎゃっ」
ニヤリと笑ったかと思えば
首筋へと手を伸ばされて。
ゾクリと背筋が固まる。
「ゃ……くすぐっ、た…ぃっ」
「……っ!!弥呼さまっ…」
身震いしながら彼を見ると
「そのような顔をされては、
興奮してしまいます…(照)」
「な"っ……!!?///」
……と、何処か赤い顔で言う零慈くんに
本気で怖くなり。
その後も、恥ずかしくて消えてしまいたいような行為が
鞠千代たちが帰ってくるまで続いたのだった。
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